平成30年の二級建築士の設計製図の試験結果が、12月6日(木)に発表されました。
試験を受けた皆様、お疲れ様です!!
合格発表に関する記事はこちら
http://kenchiku.site/goukakuhappo/
結果はいかがでしたでしょうか?
公益財団法人建築技術教育普及センターでは、以下のように述べていました。
9月9日及び11月4日に実施した二級建築士試験「設計製図の試験」について5,997人の合格者、10月14日に実施した木造建築士試験「設計製図の試験」について205人の合格者を決定しました。
このたび、平成30年二級・木造建築士試験の「設計製図の試験」の合格者が、都道府県知事により決定され、12月6日の発表となりましたのでお知らせします。合格者には合格通知書を送付し、不合格者には不合格の旨及び成績の通知をします。合格者一覧表については、当センター支部、都道府県建築士会の事務所等に掲示するとともに、合格者の受験番号を当センターのホームページ(https://www.jaeic.or.jp/)に掲載します。公益財団法人建築技術教育普及センター
今年は、設計製図の試験日に北海道胆振東部地震がありました。
そのため、該当する地域の人は、11月4日に試験が行われました。
設計製図の受験者・合格者数
試験会場
実受験者数
合格者数
合格率
今回の製図試験結果はこのようになりました。
学科試験を含める受験者数は23,533人、合格者は5,997人。
今年で、約6000人の二級建築士が誕生しました。
合格率は25.5%ですが、この数字は、ここ5年の中でも最も高い結果です。
近年は建築士の難問化が進んでいますが、協会も建築士を増やしたいのが本音でしょう。
また、今年は製図試験では新たに「延焼ライン」や「防火区画」について問われました。
実務で経験していない人は戸惑ったのではないでしょうか。
しかし、新たに問われたこれらについては、出来なくて当たり前。実務でやっていて描くことができた…という人は恐らくかなりの少数でしょう。
来年からは、「延焼ライン」や「防火区画」が当然のように問われるかもしれません…。
このように毎年新しい要素が追加していくので、毎年難しくなっていくのですね…!
平成30年の設計製図課題について
設計製図課題
平成30年の設計製図課題は「地域住民が交流できるカフェを併設する二世帯住宅」〔鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建て〕でした。
予想どおり今年はRC造でしたね。
「地域住民が交流」、「カフェを併設」、「二世帯住宅」という3つの要素がポイントです。
要求図面
- 1階平面図兼配置図[縮尺1/100]
- 2階平面図[縮尺1/100]
- 3階平面図[縮尺1/100]
- 立面図[縮尺1/100]
- 断面図[縮尺1/100]
- 部分詳細図(断面)[縮尺1/20]
- 面積表
- 主要構造部材表
- 計画の要点等
(注)答案用紙には、1目盛が5ミリメートル(部分詳細図(断面)については10ミリメートル)の方眼が与えられている。
総評
敷地条件は、過去の鉄筋コンクリート造課題と同様、縦長敷地(幅11m×奥行20m)での出題でした。
総合資格学院、日建学院といった資格学校でも、二方向道路は出題傾向があるのでは、と注目されていました。
面積があまり大きくなく、自由が利かない分、屋外スロープや駐輪スペース、駐車スペース等の配置計画は、それほど難しくなかったと思われます。
上記にも書きましたが、今回の製図試験で戸惑ったポイントは主に下記の点ではないでしょうか。
- 住宅部分の竪穴部分(階段、エレベーターシャフト及び吹抜け)は所定の防火設備で区画。
- 外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には所定の防火設備を設ける。
ここは、学科で学習した内容ではありましたが、これまで過去に製図の試験では問われることはありませんでした。
また、
初めて要求された「部分詳細図(断面)」について
部分詳細図については、あらゆる資格学校でも想定されており、初回ということで捻った問題は出ないだろうと噂されていました。
案の定、想定の範囲内での出題でした、
あったため、問題なく対応できたのではないかと思われます。
全体としては、「防火設備の明記」以外、特に意外性はなく、難易度としては例年並みの課題であったと思われます。