僕は、普段の仕事上「火災保険」を扱っているのですが、皆さんは地震保険についてはどのような認識をお持ちでしょうか?
そもそも保険の内容や改定って、普段生活している人になかなか情報が行き渡りませんよね…。もっとニュースとかでやってくれても良いのに、とは思いますが…。
震災が多い日本で、南海トラフ地震も危惧されています。今後30年以内に関東で大地震が起こる確率は70%とも言われています。
しかし、いつ起こるのかが分からないのが地震。明日、今日にも来るかもしれません。
いざというときの備えとして、地震保険は大事な役割を果たします。
今回はその地震保険について、2018年11月時点の情報をお伝えしたいと思います。
Contents
地震保険とは
火災保険と地震保険の違い
火災保険
火事で家が燃えてしまったときなどに補償を受けることができるのが、火災保険です。名称は「火災」ですが、商品によっては、落雷や風災による損害、洪水などの水害、排水管の詰まりなどによる水漏、空き巣による盗難などが補償されるものもあります。
地震保険
地震保険は単独の保険ではなく、火災保険に付随している保険です。 名前の通り、地震による被害を補償する保険です。火災保険とは異なる保険なので、火災保険に加入しておけば大丈夫だろうなんて勘違いする方もいらっしゃいますが、大きな間違いなので注意です。ちなみに、「地震」が原因となる「火災」は、火災保険ではおりず、地震保険の扱いとなるので、こちらも合わせてご注意ください!
地震保険でできること
実は、火災保険では、建物・家財の火災による損害などを補償しています。しかし、地震による火災および倒壊などは、火災保険では補償されません。したがって、地震による損害に備えるには地震保険が必要です。
地震保険の対象
地震保険の対象は、建物と家財です。それぞれに契約しておくと安心です。
地震保険の保険料
保険料とは即ち、契約時に一括か分割で払うお金のことです。
地震保険料は、下記によって金額が異なります。
- 対象の物件の所在地
- 対象の物件の構造等級
- 物件の大きさや保険金額、建築年月日
意外と知られていませんが、実はどこの保険会社も地震保険で支払う保険料って、必ず同じなんです。
その理由は、被害の総額が大きいため、いち保障会社では抱えきれません。だから、国の法律に基づいて、金額を決めており、政府と損保会社が共同で運営している公共性が高い保険なんです。
地震保険の保険金
保険金とは、即ち災害時におりるお金のことです。
地震による損害は非常に大きなものなので、民間損害保険会社の支払能力や国の財政力にも限度があることから100%払うことは不可能なんです。
そこで、地震保険の保険金額を、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で設定することになっています。
ただし、保険会社によっては、最大の50%にオプションとして残りの50%分を補填するような商品もあるので、もし100%保険を掛けたいという方はご確認ください。
地震保険の期間
どこの保険会社で入ったとしても、最長で5年までです。
火災保険は現在は最長で10年ですが、地震は長期的な予測が不可能なため、5年を限度としています。
地震保険で保障されないケースは?
保険契約の内容によっても多少異なりますが、保障されない主なケースは以下の通りです。
- 保険の対象の紛失または盗難によって生じた損害
- 保険対象外の損害(例えば門・塀・垣)
- 地震等が発生した日の翌日から10日経過後に生じた損害
- 損害の程度が一部損に至らない損害
今後の地震保険料について
直近の情報としては、2019年1月1日から多くの都道府県で地震保険の値上げが実施されます。長期契約の割引率も減少するので、保険料負担が増える見込みです。
実は、地震保険は2017年にも値上がりしたのですが、全部で3段階値上げすることが決まっています。今回は2段階目ということですね。
もともとは2011年の東日本大震災の影響で値上がりが決まりました。
この決定では、全国平均で+19%値上げが必要でした。しかし火災保険、地震保険とも改定が続いていたこともあり、一気に値上げすると負担が大きいため、少しずつの値上げになったということです。
地震保険の基本料率はどの程度変わる?
2019年からは、現状よりも下記の表でまとめたように関東では値上がりが決まっています。
(保険期間1年、保険金額1000円、割引なしの場合、関東のみ)
都道府県 | イ構造 | ロ構造 |
---|---|---|
茨城県 | +14.8% | +14.7% |
栃木県 | +4.4% | +1.8% |
群馬県 | +4.4% | +1.8% |
埼玉県 | +14.1% | +14.7% |
千葉県 | +11.1% | +7.2% |
東京都 | +11.1% | +7.2% |
神奈川県 | +11.1% | +7.2% |
※イ構造…火災保険の構造がM構造・K構造・T構造・A構造・B構造またはM級・1級・2級・特級
※ロ構造…火災保険の構造がH構造・C構造・D構造または3級・4級
※2017年~2018年のご契約の基本料率をもとにしています。
今後は更に値上がりが確定しています。全国的に見ると逆に下がっているところもありますが、調整の範囲ですので、全体的に値上がり傾向です。それだけ地震に国が警戒しているということですね。もし現在地震保険を検討しているひとは、お早めに!
まとめ
もちろん、今入っていないひとは入っておいたほうが安心です!
ですが、自分がどのような地域に住んでいるのか、土砂崩れや津波の心配はどうかなど、俯瞰的に調べることも大切だと思います。
災害ごとに被害を想定できるハザードマップも国土交通省のホームページで公開しています。(わがまちハザードマップ)
いつ来るか分からない地震だからこそ、早めに備えておくことが大切ですね!