あと1か月半で出産予定=パパになるということで、毎日そわそわしています。
でもまだ実感がない・・・
皆そうなのかな?「実感がない」なんてこと口に出したら妻に怒られるかな?(笑)
batabataです。
ここ最近は、「中島みゆき」をAMAZON echoで聴きまくっています。
命の大切さや尊さを歌う曲って案外多くはないように思います。
僕は生きていて、あなたも今、生きています。
そんな当たり前なことが、当たり前すぎて逆に実感がないからなのかもしれません。
ここのところ思うこととしては、“命の誕生”って素晴らしいなぁと。奇跡だなぁと。
昨日も定期健診に行ってきたのですが、エコーで見るわが子はやはり愛おしいものです。
4Dで見たので、ちょっと生々しいけどね。
少しずつ、親としての実感がわいてきているような感覚です。
これから子を持つ親になるということで、以前から一度観ておきたい映画がありました。
それが、『人魚の眠る家』です。
2018年に映画化され、2019年5月にはDVDにもなりました。
僕は数年前に原作を読んでいたということもあり、あらすじはおおよそ知ってはいました。
原作を読んだ2015年の当時は、まだ結婚前でしたが・・・
子どもも持つ親御さんの立場だったら、ものすごく考えさせられる内容だな・・・
と当時は思っていました。
だからこそ、この親になる前のタイミングで映画版を観てみようと思いました。
今回はそんな映画『人魚の眠る家』を観て、思ったことを書いていこうと思います。
『人魚の眠る家』とは
原作の作者は東野圭吾
作者の東野圭吾という名前は、あまり本を読まない人でも一度は聞いたことがある作者ではないかと思います。
『超・殺人事件』『白夜行』『手紙』『赤い指』なども有名ですよね。映画化になった作品もたくさんあります。
東野圭吾の作品は、もう一度読み返したくなる、感動もあればドロドロもある…いや、ほとんどドロドロかな…?
物語自体はフィクションでも、リアルな人間の心情を深く深く掘り下げたヒューマンドラマが多いと私は感じています。
読めば読むほど、その世界観に引きずり込まれていく。
そんな感覚が、なんとも言えません。
僕の好きな作家さんの一人です。
『人魚の眠る家』のあらすじ
この作品ののテーマは、「脳死」。
水の事故によって突然娘が脳死状態になってしまった家族の物語です。
この↑の文章だけでも、早速なんだかエグい感じがしますよね・・・。
原作を読んでから5年程も経っていましたが、その当時頭の中で描いていた世界が、忠実に再現されていた映画でした。
映画を観ていて、「あ・・・原作の通りだ・・・なんだか見たことある情景だ・・・」と、何度思ったことか。
よく原作を映画化すると劣化していたり、酷評が多いと思うのですが、
この「人魚の眠る家」は、そんなことありませんでした。
原作を読んでから数年経ってはいましたが、その時の情景が思い出されるような、見事な作品でした。
ーーーーー以下は、ざっとあらすじですので、ネタバレを含みます。-----
とある家族の物語。
中心人物の瑞穂(みずほ)ちゃんは、6歳の少女です。
彼女はある日、プールに遊びに行き、ちょっとしたことから排水溝から指が抜けなくなって溺れてしまいます。連れ添いで来ていたおばあちゃんはその時たまたま目を離してしまっていました。
急いで病院に運ばれましたが、長い間呼吸をしなかった影響で意識が戻ることはありませんでした。見た目は眠っているみたいなのに・・・。
医師は脳死と判断するために、母・薫子(演:篠原涼子)と、父・和昌(演:西島秀俊)に臓器提供の意思確認をします。
2人は、「瑞穂ならそうするだろう」と思い、臓器提供に同意しようとしたのですが、
脳死テストをおこなう瞬間に瑞穂の手が動いたのを感じ、
「娘はまだ生きている!」という思いが強くなり、提供はしないことにしました。
結局、瑞穂は人工呼吸器をつけられながら、植物人間状態のまま、生き続けていくことになりました。
その後、父・和昌の会社の関係もあり、半ば実験台のような形でハイテクの機械を身体に取り付けて、リモコンを使って手足を動かしたり、表情の筋肉を動かすことも可能になりました。
心臓は動いていても、瑞穂は本当に生きているのでしょうか。
薫子たちは、心臓は動いているし立派に生きていると考えています。
「脳死」か「心臓死」か。この究極の選択が、もし自分が親だったら選ぶことができるのか。
最後までのめりこんで観てしまいました。
なんといっても主題歌が素晴らしい
この映画を演出する要素として、僕は主題歌が素晴らしいと思いました。
テーマ曲は、絢香の「あいことば」。
その歌詞の一部を引用します。
私はあなたと
ずっとずっと明日の希望を願い続けます
例え 何があっても
私はあなたと
ずっとずっと未来を見ながら永遠に愛します
例え 何があっても
ここにすべてが凝縮されています。
母の強さ。子を守る。永遠に愛し続ける!!
その狂気ともいえるような、愛を感じます。
僕は、綾香は知っていましたが、この曲は知りませんでした。
ぜひ子どもを持つ親、これから親になる人に、聴いてほしい曲です。
映画「人魚の眠る家」を観た感想
「脳死」と「心臓停止」。果たしてどちらが人間にとっての「死」なのか。
この作品の最大のテーマでもあり、現実の問題としても考えさせられる内容です。
現在、作品に出てきたような機械で筋肉を動かすような技術は恐らく出来なくはないと僕は思います。神経はいわば電気信号なのですから。
脳死については、以前、植物状態で何年もの眠りから覚めた…という人もいると聞いたことがあります。
嘘か本当かは分かりませんが、植物状態でも、耳からの情報が聞こえていた…なんてこともあるようです。
心臓が停止してしまうと、身体の循環器が維持できなくて腐敗していきますが、脳死のほうがまだ(僅かでも)意識を取り戻す可能性があるのでは…と希望を考えてしまいます。
反対に、脳死状態でも他の臓器は健康なのですから、ドナーを提供すれば、他の助かる命もあるというのも事実です。
何の選択が正しいのか。それは、結局のところ分かりません。
一緒に見た妻も言っていましたが、
「お金がたくさんあったから、脳死を認めずに生き永らえさせることができたんじゃない?」
確かに、お金は、人に選択肢を与えてくれます。
この中心となっていた家族は、夫は社長だし、都内の一等地に屋敷を構える程の大金持ちです。しかも、技術を持った部下もいる。
そもそも、そんな条件でなかったら、家で脳死状態の瑞穂を介護していくなんてことは到底難しかったのではないかとも思ってしまいます。
お金は大事ですが、人を狂気にさせる要因にもなってしまうのかもしれませんね。
結局、“人はいつ死ぬのか”という問いに対して。
「脳死」か「心臓死」か・・・
僕個人の意見としては、もう一つ死があると考えています。
それは、「記憶の中」です。
かの有名ドクターヒルルク(ワンピースより)も、
「人はいつ死ぬと思う・・・?人に忘れられた時さ。」という名言があります。
身体がこの世に存在していなくても・・・
記憶の中で生きていれば、その人は生きている!と僕は思います。というか、そう思いたいです。
そしてもう一つ。人はいつ何があるか分かりません。
明日、事故だって、病気だって、あるかもしれません。
だからこそ、1日1日を悔いのないように精一杯生き、周りに感謝したいと思いました。
僕も家族を亡くした経験があります。
いつまでもしんみりしていたら、過去にとらわれてしまいます。
前を向いて、今日この瞬間を生きていこう、そう思います。
色々と考えさせられる映画でした。
また実際に子どもが生まれてから、観てみるとまた違った捉え方になるかもしれません。
小説と映画、共におすすめの作品です!